3秒サマリー 2026年9月分の電気料金は、燃料価格だけを見ると上がる方向ですが、国の料金支援が8月分より大きくなるため、家庭向けモデル料金は関西・中国・四国・北陸で下がります。関西電力の従量電灯Aモデルは前月比260円下げ、中国電力と四国電力は96円下げ、北陸電力は117円下げです。請求額を見る時は、燃料費調整の変化と支援単価の変化を分ける必要があります。

要点

  • 何が起きた:関西電力、中国電力、四国電力、北陸電力が2026年9月分の燃料費調整単価などを公表した。
  • なぜ重要か:原油・LNG・石炭の平均価格は前月適用分より上がる一方、9月分の料金支援は低圧で4.50円/kWhとなり、8月分より1.00円/kWh大きい。
  • 料金への出方:家庭向けモデル料金は、関西で260円、中国・四国で96円、北陸で117円下がる。
  • 確認すべき点:請求額の下げ幅は、燃料価格が下がった結果ではなく、燃料費調整と料金支援が合わさった結果として読む。
  • 次のタイミング:高圧・特別高圧では、市場価格調整単価の公表日や契約区分ごとの反映時期も確認が必要になる。

まず、何が起きたのか

各社は、2026年4〜6月の貿易統計をもとに、9月分の電気料金へ反映する燃料費調整単価などを公表しました。

燃料費調整は、原油、LNG、石炭の価格変化を一定のルールで電気料金に反映する仕組みです。今回は平均燃料価格が前月適用分より上がる会社が多い一方で、国の「電気・ガス料金支援」による値引き単価が大きくなります。

そのため、家庭向けの請求額だけを見ると下がります。ただし、これは燃料価格が落ち着いたという意味ではありません。燃料費調整単価、離島ユニバーサルサービス調整単価、市場価格調整単価、料金支援が重なって、最終的な請求額が決まっています。

これは何を意味するのか

9月分の料金を見る入口は、「燃料価格の動き」と「政策支援の動き」を分けることです。

関西電力の資料では、2026年9月分に使う平均燃料価格は50,100円/klです。2026年8月分の48,100円/klから上がっています。それでも、従量電灯Aの平均的なモデルでは、9月分料金は6,673円となり、8月分の6,933円から260円下がります。

中国電力、四国電力、北陸電力も同じように、低圧向けのモデル料金は前月より下がります。これは、9月分の低圧向け支援単価が4.50円/kWhで、8月分の3.50円/kWhより1.00円/kWh大きいためです。

会社・エリア公式資料のモデル2026年8月分2026年9月分前月差読み方
関西電力従量電灯A・260kWh6,933円6,673円▲260円支援額の拡大が大きく効く
中国電力スマートコース・260kWh7,371円7,275円▲96円燃料費等調整は小幅に下げる
四国電力従量電灯A・260kWh7,708円7,612円▲96円低圧モデルでは前月より下がる
北陸電力従量電灯B・30A・230kWh6,942円6,825円▲117円燃料費調整は上げ方向、支援で下げる

まだ決まっていないこと

9月分の発表だけでは、秋以降の料金水準は決まりません。

国の支援は月ごとに単価が違います。各社資料では、9月分の低圧は4.50円/kWh、高圧は2.30円/kWh、8月分は低圧3.50円/kWh、高圧1.80円/kWhの値引きとして扱われています。

つまり、9月分の請求額が下がっても、そのまま10月以降も同じ下げ幅が続くとは限りません。燃料価格、為替、支援単価、市場価格調整単価のどれが変わったのかを月ごとに分けて見る必要があります。

高圧・特別高圧の読者は、市場価格調整単価の扱いにも注意が必要です。北陸電力は、高圧・特別高圧で燃料費調整単価と市場価格調整単価を合計した燃料費等調整単価が適用されると説明しています。市場価格調整単価の公表時期が別に設定されている場合、低圧の発表だけでは全体像がそろいません。

公式資料で見るポイント

今回の確認ポイントは、最終請求額の増減だけでなく、どの項目が効いたかを切り分けることです。

見る項目今回わかっていること追加で見たいこと
平均燃料価格関西では9月分適用が50,100円/kl、8月分適用が48,100円/kl他エリアでも燃料価格の上げ幅が料金へどう反映されたか
料金支援9月分の低圧は4.50円/kWh、高圧は2.30円/kWhの値引き10月分以降の支援単価と終了時期
低圧モデル料金4社の公表モデルでは前月より下がる使用量が違う家庭・店舗での影響額
高圧・特別高圧燃料費調整に加えて市場価格調整を見る会社がある公表日、契約区分、検針日ごとの反映
請求説明「燃料が下がった」ではなく「支援込みで下がった」と説明する必要がある需要家向け通知でどの項目を明示するか

次に見るポイント

次は、9月だけでなく10月分の見え方を確認することです。

9月分は支援単価が大きいため、モデル料金が下がって見えます。10月分で支援単価が変わる場合、燃料価格が横ばいでも請求額の見え方は変わります。小売料金を扱う部署では、請求書の説明文、コールセンターのFAQ、法人需要家向けの説明資料で、燃料費調整と支援額を別々に示せるかが実務上の確認点になります。

高圧・特別高圧では、市場価格調整単価が後日公表される会社もあります。低圧のモデル料金だけで判断せず、契約区分ごとの公表日と適用期間を確認したいところです。

結論:9月料金は「燃料安」ではなく「支援込み」で読む

9月分の電気料金は、モデル料金だけ見ると下がります。ただし、燃料価格の上昇と料金支援の拡大が重なった結果です。次は10月分で、支援単価と市場価格調整がどう見えるかを確認します。


用語ミニ辞典

用語意味
燃料費調整原油、LNG、石炭の価格変化を、一定のルールで電気料金に反映する仕組み。
平均燃料価格料金計算に使う燃料価格の平均値。原油・LNG・石炭を係数で組み合わせて算定する。
電気・ガス料金支援国が一定期間、電気・ガス料金の負担を軽くするために単価を値引きする措置。
低圧一般家庭や小規模店舗などで多い契約区分。各社のモデル料金は低圧向けに示されることが多い。
高圧工場、ビル、店舗などで使われる契約区分。低圧とは料金項目や公表タイミングが異なる場合がある。
市場価格調整単価卸電力市場価格などの変化を料金へ反映するための単価。会社や契約区分により扱いが異なる。

出典:

  • 関西電力「2026年9月分電気料金の燃料費調整等」(2026-07-30)
  • 中国電力「2026年9月分電気料金の燃料費等調整について」(2026-07-30)
  • 四国電力「2026年9月分電気料金の燃料費調整について」(2026-07-30)
  • 北陸電力「電気料金燃料費調整単価(2026年9月分)および市場価格調整単価(2026年8月分)のお知らせ」(2026-07-30)

出典・参考情報

記事本文は公開情報と公式・一次情報を優先して作成しています。重要な判断の前には、必ずリンク先の最新情報を確認してください。

DOMESTIC READER ROUTE

国内記事を続けて読む

制度、系統、市場、電源調達の論点は記事単体で終わらせず、関連テーマを続けて確認すると判断材料が揃いやすくなります。

Xでこの記事をシェア

READER SIGNAL

この記事、どう使えそうですか?

役に立った点や追加で知りたい論点を、次の記事づくりに使います。質問・追加調査希望はフォームから送れます。

追加で知りたいテーマや、社内で説明したい論点を送れます。

社内共有・30日タスクに変える 質問・追加調査希望を送る

DEEP DIVE

この記事をChatGPTで深掘りする

記事の事実関係、制度・契約・系統上の論点、追加で確認すべき一次情報を深掘りできるプロンプト付きでChatGPTを開きます。

ChatGPTでこの質問を深掘りする