3秒サマリー JERAの2026年度第1四半期は、売上収益9,043億円、親会社帰属四半期利益1,231億円でした。大きな利益に見えますが、電力実務で見る入口は、燃料費調整の影響を除いた利益1,280億円と、LNG・石炭関連収支の改善です。通期見通し2,800億円に対して、上期ではなく第1四半期だけでどこまで進んだかを確認するニュースです。
要点
- JERAは7月31日、2026年度第1四半期(4〜6月)の連結決算を公表した。
- 売上収益は9,043億円で、前年同期から735億円増えた。
- 親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,231億円。前年同期から306億円増えた。
- 燃料費調整の影響を除いた四半期利益は1,280億円で、前年同期から796億円増えた。
- 通期の親会社帰属利益見通しは2,800億円。第1四半期の利益だけで通期見通しの約44.0%、燃料費調整の影響を除く利益では約45.7%に達している。
まず、何が起きたのか
JERAは、4〜6月の売上と利益が前年同期を上回ったと発表しました。
発表によると、売上収益は9,043億円です。前年同期の8,308億円から735億円増えました。主な説明は、電力販売における収入単価の増加です。
利益も増えました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,231億円で、前年同期の925億円から306億円増えています。JERAは、国内火力・ガス事業におけるLNG関連収支・石炭関連収支の改善と、海外・再エネ発電事業の利益増を要因として示しています。
ここで見たいのは、利益が大きいか小さいかだけではありません。燃料価格の変動が、どのタイミングで電気料金や収支に反映されるかも分けて読む必要があります。
これは何を意味するのか
この決算は、燃料調達と小売料金の時間差が、発電事業者の収支に出ていることを確認する材料です。
JERAは、燃料費調整の影響を除いた四半期利益も示しています。燃料費調整は、燃料価格の変化を一定のルールで電気料金へ反映する仕組みです。ただし、燃料を買った時期、発電に使う時期、料金に反映される時期は完全には同じになりません。
燃料費調整の影響を除いた四半期利益は1,280億円でした。前年同期の483億円から796億円増えています。表面上の利益1,231億円だけを見るより、燃料費調整を除いた数字を並べると、燃料関連収支や海外・再エネ発電事業の改善が見えやすくなります。
| 見る数字 | 2026年度第1四半期 | 前年同期 | 何を確認するか |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 9,043億円 | 8,308億円 | 電力販売単価や販売収入の変化 |
| 営業利益 | 1,744億円 | 1,275億円 | 本業収支全体の改善幅 |
| 親会社帰属四半期利益 | 1,231億円 | 925億円 | 最終利益の増減 |
| 燃料費調整の影響を除いた四半期利益 | 1,280億円 | 483億円 | 燃料費調整の時間差を外した収益力 |
まだ決まっていないこと
第1四半期だけでは、年度全体の燃料費や電力販売の着地は決まりません。
JERAは2026年度の親会社帰属当期利益を2,800億円と見込んでいます。燃料費調整の影響を除いた当期利益も2,800億円です。第1四半期の親会社帰属利益1,231億円は、通期見通しの約44.0%に当たります。
ただし、これは単純に「年度見通しを上回る」と読む数字ではありません。夏冬の需要、燃料価格、為替、発電所の稼働、海外・再エネ発電事業の収益は、四半期ごとに変わります。特にJERAのように燃料と発電の両方を持つ会社では、燃料価格が下がる局面と上がる局面で、見え方が変わります。
公式資料で見るポイント
今回の決算では、損益計算書の数字だけでなく、燃料費調整の影響を除いた数字を横に置くことが大切です。
| 確認項目 | 今回わかっていること | 次に見たいこと |
|---|---|---|
| 売上収益 | 9,043億円、前年同期比735億円増 | 販売電力量と収入単価の内訳 |
| LNG・石炭関連収支 | 改善が利益増の要因と説明 | 燃料価格、在庫、契約条件の変化 |
| 海外・再エネ発電事業 | 利益増が要因と説明 | 地域別・案件別の寄与 |
| 燃料費調整の影響 | 除外後利益は1,280億円 | 料金反映の時間差が次四半期にどう出るか |
| 通期見通し | 親会社帰属当期利益2,800億円 | 第2四半期以降に見通し修正があるか |
次に見るポイント
次は、燃料費調整と燃料調達の説明がどこまで具体化するかを見たいところです。
まず、夏の需要が高い時期にLNG火力の稼働がどう変わるか。次に、LNGや石炭の調達価格、為替、在庫評価が第2四半期にどう出るか。そして、海外・再エネ発電事業の利益増が一時的なものか、継続的なものかです。
小売料金を扱う読者は、JERA単体の利益だけでなく、燃料費調整単価の月次発表と並べると読みやすくなります。発電事業者の燃料収支、小売料金への反映、需要家の請求額は、同じ燃料価格から出ていても、見えるタイミングがずれるためです。
結論:利益額より、燃料費調整を分けて読む
JERAの第1四半期決算は、利益額の大きさだけで判断するニュースではありません。燃料費調整を除いた利益、LNG・石炭関連収支、通期見通しとの進み具合を分けて見ると、燃料と料金の時間差が読みやすくなります。
用語ミニ辞典
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| JERA | 東京電力グループと中部電力グループが出資する発電・燃料事業会社。国内火力発電と燃料調達で大きな役割を持つ。 |
| 売上収益 | 企業が商品やサービスの提供で得た収入。発電事業では電力販売収入などが含まれる。 |
| 営業利益 | 本業から得た利益。売上から燃料費、人件費、設備関連費などを差し引いて見る。 |
| 親会社帰属利益 | グループ全体の利益のうち、親会社の株主に帰属する利益。最終利益を見る時によく使う。 |
| 燃料費調整 | 燃料価格の変動を、一定のルールで電気料金に反映する仕組み。反映には時間差が出る。 |
| LNG関連収支 | LNGの調達、在庫、販売、発電利用に関わる収支。為替や国際価格の影響を受ける。 |
出典:
- JERA「2026年度第1四半期連結決算について」(2026-07-31)
- JERA「別紙:2026年度第1四半期連結決算について」(2026-07-31)
出典・参考情報
記事本文は公開情報と公式・一次情報を優先して作成しています。重要な判断の前には、必ずリンク先の最新情報を確認してください。
- JERA 2026年度第1四半期連結決算について 2026年7月31日発表。売上収益、四半期利益、燃料費調整の影響を除いた利益、通期見通しを確認
- JERA 別紙:2026年度第1四半期連結決算について 決算別紙。事業別の利益要因や業績見通しの補足を確認
DOMESTIC READER ROUTE
国内記事を続けて読む
制度、系統、市場、電源調達の論点は記事単体で終わらせず、関連テーマを続けて確認すると判断材料が揃いやすくなります。
READER SIGNAL
この記事、どう使えそうですか?
役に立った点や追加で知りたい論点を、次の記事づくりに使います。質問・追加調査希望はフォームから送れます。
追加で知りたいテーマや、社内で説明したい論点を送れます。
DEEP DIVE
この記事をChatGPTで深掘りする
記事の事実関係、制度・契約・系統上の論点、追加で確認すべき一次情報を深掘りできるプロンプト付きでChatGPTを開きます。
ChatGPTでこの質問を深掘りする